“終活”などの言葉の普及もあり、今後も徐々に増加すると思われる”遺言制度”の利用。
従前は”遺言”と聞くと、暗いイメージを持つ方も少なくなかったと思いますが、そのイメージも少しづつ前向きなものとして捉えられていると感じます。
遺言制度は、15歳から利用できることもあって、まだまだ現役の方が作成検討するケースも増えているのではないでしょうか。
遺言の種類としては
自筆証書遺言書
公正証書遺言書
秘密証書遺言書
に分類されます。
ですが、有効であれば上記のどの形式をとっても、遺言の効力としては共通です。
遺言書は、遺言者の死によって開示されるもの。
そこには、もう話すことも、会うこともできない遺言者の想いが綴られています。
遺族としては、葬儀などでのお別れを済ませた後開示されますので、もう一度故人の想いに触れられるという何とも言えない驚きがあることも多いでしょう。
遺言者としては、自身の死後に開示されますので、生前には言えなかったことも、もしかしたら書いているかもしれません。
遺言書の作成にあたり、見えてくるもの
それは”元気であれば何でもできる”
遺言書は、ご認識のとおり”遺言者の相続財産の分割方法などを指定する”もの。
ですので、作成検討の際は、自分の死と向き合うことになります。
そうです。遺言を残したいという方には、死と向き合う覚悟があるのです。
自分の死を少し客観的に見ていくことになり、通常の日常生活を送るうえでの思考状態とは、また違った思考状態に切り替わっているといえます。
ですので、自分の死を受け入れるなどの通常は受け入れがたい想定だとしても”物事を受け入れる”等の能力が柔軟になっている可能性があります。
もし、遺言の内容で以下のような内容があったとします。
- ○○には本当に迷惑をかけたと思っている
- 疎遠な○○には相続させない
- ~~をした○○には△△を名乗ってほしくない
などの、少し”負の印象”の文言。
上の例で、仮に遺言書で謝りたいとのことであれば、心の底から申し訳ない気持ちであるのでしょう。
そのようなことを遺言に残したということは、それは生前に遺言者が“思い残したこと“や”心残り“があるということがいえるのではないでしょうか。
ですが、ここでちょっと待ってください。
遺言書を残すという当時、遺言者は御存命。
恐らくは、足腰もまだ動き、目も黒い、読み書きもできることがほとんどでしょう。
遺言書作成を検討した時点で、自身の死と向き合った。
自信が心残りに思っていることも浮かび上がってきた。
そして今、自身には元気がある。
元気であれば何でもできますね。
既にあなたは、自身の死と向き合えるレベルの方ですから。
例えば、疎遠になっている親族と、その関係を少しでも改善できるような行動も、あるいは出来るのかもしれません。
今まで疎遠だったのですから、何か行動を起こしてこれ以上関係が悪くなる事があっても、また以前の疎遠に戻るだけかもしれません。
ですが、行動を起こした結果、例えば”お互いの勘違いだった”などに気づくこともよくありますよね。例えば
方や
子:「ホントうちの親なら孫の運動会にも一回も来ないね」
などで、お互いが“待ち”であれば、疎遠は必然となってしまうものかもしれません。
心残りがあって、遺言書に記す事柄があれば、元気なうちに謝っておく、元気なうちに良好な関係に近づける、といった行動を執るキッカケにも出来るかもしれません。
そのうえで相手が受け入れてくれたり、わだかまりが解消したのなら、生前にその方が書く遺言書の付言事項としては「あのときは受け入れてくれてありがとう。あの時以来、本当に楽しく過ごせて救われました。」となります。
心残りであった文言の“謝罪”や”排除”的な印象から、思い残すことはないという“感謝”の文言に変わりました。
このことは、後世への善い影響も多大なものとなるでしょう。
そうなのです。
遺言書作成の検討は、今後のあなたの未来を輝かせる可能性を秘めているのです。
遺言書は作成後、何度でもやり直しができるのです。
ですが、人生はやり直しができません。
人生100年時代。まだまだ残りの人生は続きます。
自身の死と向き合えた”今”、プライドや曖昧な記憶を捨てて、親族との信頼関係を取り戻し、今をより輝かせることができた方もいます。
遺言書の作成が、あなたの今後の人生を輝かせるキッカケになれば、嬉しく思います。
遺言書作成を機に、余命に触れ、行動し、どんどん良い遺言書に書き換えていけたら素晴らしいですね☆
遺言書作成を検討されている方や、作成経験のある方など、たくさんのコメントをお待ちしております。
人や家庭はそれぞれ違って当たり前です。
貴重なご意見をお聞かせ下さいませ。
当事務所は、遺言書作成支援・各種契約書の作成など、全国からのご依頼に対応しております。
お気軽にご相談下さい☆
祖父母:「ホントあの子だったら全然顔見せないね」