消費者金融業者から届いた赤い封筒”優遇措置のご案内”についての相談案件

手紙

先日お得意様から”赤い封筒で、身に覚えのない請求が届いた”と連絡がありました。

当事務所としては、どんな内容の書類が届いたのか確認してみない事には、執れる対応がご案内できません。

相談者様と日程調整のうえ、直接現物を確認させていただくこととしました。

請求書

郵送物の表題は”優遇措置のご案内”

「○年◯月○日までに返答いただければ、80,172円の返済額を、38,000円に減額いたします。」

という内容、この案内に「希望します」という旨の返答をしてしまうと、上記の債務がある事を”承認”してしまう事になるでしょう。

以下で、書類や聞き取りを確認の上ご対応させていただいた内容を見ていきます。

送付名義は”アイフル”

今回送付された郵便物を確認すると、差出名義や問い合わせ先名義が、大手消費者金融業者の”アイフル”であることが分かりました。

ですが、実際の利用されたとする当時の、利用先業者名は”株式会社ライフ”であるとのこと。

アイフルのホームページで、事業の沿革などを調査していると、確かに株式会社ライフはアイフルに吸収合併の形で、現在はアイフルであるようです。

送付先の本人は身に覚えがない

送付物には以下の情報が記載されておりました。

  • 利用年月日 2005/9/27
  • 利用種別 売掛金
  • 利用金額  42,000円
  • 契約番号  ○○○
  • 顧客番号  ○○○

上記の利用日付を見ますと、”27日”となっており、利用種別も”売掛金”です。

このことから、何かの購入代金を、支払代行業者が支払い、その金額の引き落としを27日に行うはずだったが、残高不足等の理由で引き落とし不能だったなどの可能性が浮かび上がります。

請求元も大手企業である事もありますし、上記の情報は幾らでも捏造できる情報であるとしても、ここまでの情報を提示できるのであれば、利用者とされる側にも、詳しく聞き取りしなければなりません。

利用年月日等から推測できる状況なども例に挙げながら、「そんなことはありませんでしたか?」という形式でお伺いしましたが、全く身に覚えがないとのことでした。

ですが、本人に覚えがなくとも以下のような事例も少なくないかもしれません。

  1. 親族等が、今回の利用者とされる者の名義で利用したケース
  2. 金銭等を受け取った(利用した)形態の行き違いで、思い出せていないケース
  3. 当人が”利用しているはずはない”と利用の可能性を全否定してしまっていて、思い出すという行為に移行できていないケース

消費者相談センターに確認

当事務所としても、一応、そのような案件の相談が相次いでいないか、消費者相談センターに確認を取ってみました。

当事務所で有料のサービスが受けられるとしても、請求の金額が金額ですので、郵送物に対して対応せず、放置が一番の得策であるのなら、それに越したことはありませんし。

ですがセンターでも、そのような案件はあまり聞いたことがないとの返答。

当事務所でも周辺調査をしてみましたが、あまり有力な情報をつかむことはできませんでした。

利用したとされる日付は”2005年”

ご相談者様や同居家族ご年齢もあり、無用な不安は排除したいところです。

ご相談者様より”このような請求が今後来てほしくない”との強い要望もありましたで、2005年から同様の督促や請求が電話や書面であったかを聞き取りましたが、今回が初めてだということです。

であれば、債務が実際にあっても無くても、債権者とされる者からの請求は”消滅時効の援用”により、債務者とされる者には返済義務が無いことにできそうです。

その様な方法を主張するかどうかをお聞きしたところ「行政に相談したところ、その方法を使うといいと言わたので、ぜひ使いたい」とのこと。

当事務所で”消滅時効の援用通知書”を代行作成

ご年齢もありますので、当事務所で”消滅時効援用通知書”を、内容証明郵便にて代行作成させていただきました。

消滅時効は、然るべき年月が到来すると同時に自動的に権利が消滅するわけではありません。

消滅時効にかかったことで、債務者が消滅時効を援用する意思表示をして、はじめて成立します。

最後に

行政書士としては、当事者に成り代わって書類を作成する事しかできませんが、皆様におかれましても、今後同様の案件でお困りのことがございましたら、当事務所としましてもお力になれることもあるかと思いますので、お気軽にご相談下さいね。